今月は「働き方改革」についてのお話しです。政府では、時間外労働の上限規制や
同一労働同一賃金の導入などが話し合われています。大和総研の試算によると残業
時間の上限が月平均60時間に規制されると、残業代は年8.5兆円も減少してしまい
個人消費の減少につながりそうです。いわゆる生活残業で給料を補填している人に
厳しい話です。

そもそも「働き方改革」とは、生産性の向上が目標の政策です。日本生産性本部の
報告によると、労働生産性の国際比較で日本は2015年度でOECD加盟諸国35ヵ国中
22位と低迷しています。英人材大手のヘイズ社によるグローバルの人材需給調査に
よると、高度技能を持つ人材供給のミスマッチで日本は世界33ヵ国中ワースト3位
だそうです。失業率は低いが高度技術人材が供給されず生産性の高さにつながって
いないとのこと。

生産性向上のために定型業務のロボット化やAIの導入を行うと、結果的に人員の
削減につながる可能性があります。そして早期退職制度で人員を削減すると多くの
企業は個人の能力ではなく年齢で一律に線引きしています。その結果、他の会社で
通用する有能な人から先に辞めてしまい、生産性の向上には逆効果となってしまう
ケースがありそうです。

「働き方改革」によって、機械化で生産性を向上させる。また「人づくり革命」で
働く人の再教育により、機械が出来ない仕事を担う人材を育成する。やや矛盾して
いるように思える政策の両輪ですが、いずれにしても、人材を地道に育てることが
肝心なようですね。

日本経済新聞:残業規制、所得8.5兆円減
https://www.nikkei.com/article/DGKKASDF28H04_28082017EE8000/
日本生産性本部:労働生産性の国際比較
http://www.jpc-net.jp/intl_comparison/
日本経済新聞:日本は高度人材不足、33ヵ国中ワースト3位
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22786040X21C17A0000000/