今月は「定年後の再雇用」についてのお話しです。高年齢者雇用安定法によって、
法律上の定年は60歳が最低基準になっています。そして定年制を導入している
企業は高年齢者雇用確保措置として、65歳までの定年引上げか65歳までの継続
雇用が義務付けられています。

年金の満額支給開始年齢が65歳なので多くの人は生活のために働かざるを得ない
というのが現状です。定年後は再雇用制度を導入している会社が多いです。
その再雇用に対して支払われる給料が半額以下に下げられ、雇用形態も非正規に
変わり、1年更新で再雇用契約を結ぶケースが多いのではないでしょうか。

そんな中、定年後の再雇用契約を巡る裁判で、大幅賃金カットが違法であるとの
判決が3月にありました。60歳を迎えた従業員に対して会社側は「パート勤務で
賃金は75%カット」との労働条件を提示しました。フルタイム勤務を希望していた
元社員がこれを不服として裁判をおこし、最終的に2審の「定年の前後で継続性・
連続性があることが原則」、収入が75%カットの労働条件提示は「継続雇用制度の
導入の趣旨に反し、違法性がある」と判断しました。

この判決は今後の賃金トラブルに大きな影響を与える画期的なものとなる可能性が
あります。同一労働同一賃金の下では、定年前とあまり変わらない仕事をするなら
賃金は極端に下げられないといった流れになるかもしれません。
経験豊富なシニアのモチベーション低下を防ぐために、給与水準を7~8割程度に
維持しながら雇用を継続する動きも広がってきました。少子化で若手の人材が不足
する中、貴重なシニア人材の経験を活用しようという企業が増えています。

厚生労働省:高年齢者雇用安定法
www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/qa/

毎日新聞:定年後の再雇用 賃金75%減は違法
https://mainichi.jp/articles/20180331/k00/00m/040/059000c

日本経済新聞:給与「60歳の崖」緩く
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26871570U8A210C1MM8000/