今月は「消えてゆく職業」についてのお話です。先月、全国で27校舎を展開する
大手予備校の代々木ゼミナールが20校を閉鎖して大都市の7校のみにする報道が
ありました。原因は幾つかあるようですが、1992年に約40万人いた浪人生が今は
約5万人と減少しているのが響いたようです。少子化や現役志向が増えているのは
事実ですが問題は更に深刻です。競合する予備校がIT化によりオンライン授業を
提供しており、リアルな校舎が必要なくなってきているのが現状です。

英国オックスフォード大学による「雇用の将来」という調査レポートで興味深い
発表がなされています。IT化の影響で今後20年の間に約半数の職業が失われる
可能性があるとの内容です。特に単純でIT化しやすい作業として電話交換手や
キーパンチャー、購買部事務職などなど。将来的には今ある全ての仕事の半分が
別の仕事へ。つまり今は未だ存在しない新しい職業が生まれてくる訳ですね。

英国の経済学者であるウィリアム・ペティの記述を元に、同じく英国の経済学者
であるコーリン・クラークが打ち出した「ペティ=クラークの法則」が有名です。
この法則は、経済や産業など国家の発展につれて第一次産業から第二次産業、
第二次産業から第三次産業へと就業人口の比率がシフトするというものです。
1920年代に54%だった第一次産業は現在4%、第二次産業も10%減り第三次産業が
43%増えて67%になりました。その第三次産業でも職業の淘汰が進んでいます。

これまで日本を代表する大企業も突然倒産に追い込まれる時代です。昨年まで
業績が伸びていた会社はいつまでも有望とは言い切れません。今が全盛期の
産業は、もしかすると20年後には最盛期を終えて衰退産業の仲間入りをして
いるかもしれません。そのときが来ても焦らないよう、先を見据える先見性と
柔軟に対応するスキルを少しづつでも身に着ける準備が必要ですね。

「コンピューターの影響を受けやすい未来の仕事」:オックスフォード大学
(http://www.futuretech.ox.ac.uk/sites/futuretech.ox.ac.uk/files/The_Future_of_Employment_OMS_Working_Paper_1.pdf)
「ペティ=クラークの法則」:経済産業省
(http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2006/2006honbun/html/i1131000.html)