今月はOECD(経済協力開発機構)がWTO(世界貿易機関)と共同で先月5月28日に
公表した、新しい貿易統計(2009年度)に関する報告書の話です。
これは最終製品の付加価値がどの国で生産されたかを把握するための調査で、この
報告書によると日本は国内で消費する製品やサービスの付加価値のうち、何と88%を
国内で創造していることが判明しました。この比率の高さは加盟34ヶ国に中国など
新興国を加えた40ヶ国で第1位でした。ちなみに2位がブラジル、3位が米国です。
身の周りでもスマホなど一部で海外製品の台頭はありますが、ほとんどの日本製品が
優秀だと感じるのは我々の実感でしょうか。日本の価値を生み出す能力が高いという
ことは世界に誇れるのですが、これは諸外国から見ればこのために輸入障壁があり、
海外から物を買わないと思われてしまいます。

この新たな貿易統計のやり方はGDPと同じ考えですが、我々が理解している今までの
貿易の姿を大きく変える可能性があります。例えば原材料・部品加工・組み立てなど
それぞれの付加価値が国ごと個別に計算されます。統計としては非常に正しいです
が、どこまで原産地を厳格にトレースバックできるのかが問題となります。
現在2国間の貿易(黒字・赤字)は最終製品の額で計算されていますが、部品輸出が
多い日本としては思わぬところで貿易不均衡が生じる事になるかも知れません。

GDP:国内総生産(Gross Domestic Product)、年間に国内で生産された付加価値の
   合計。